英語に関するQ&A（7）TOEICの勉強で英語力は身につくのか

2000年代前半から現在まで15年以上、小学生から年配の方々まで色々な世代、色々な職業の方々に英語を教えたり、留学カウンセリングをしたりしながら英語を学ぶ生徒さんや留学希望者の方から、限りなく沢山の英語に関する質問を受けてきました。その中でインターネット上の質問と重なる質問も時々見受けられます。そんな質問に答えていこうと思っています。

Q：社会人になってTOEICなど英語を再び勉強し始めました。
そこで質問なのですが、TOEICの勉強で英語力はみにつくのかです。
TOEICの勉強はTOEICに受かるためだけの知識しかつかないのか、それとも総合的な英語が身につくのかどうか。

A：＊おそらくここでのTOEICとは　TOEIC　L&R（リスニング＆リーディング）テストのことを指しているという前提でお答えしますが、勉強のやり方次第で、総合的な英語を身に着けることも可能だと思います。

例えばTOEICの勉強をするとき、大きく以下の2つの勉強法に分けます。
①TOEIC　L&Rのスコアアップをより短時間で目指す。
②TOEIC　L&R向けの教材を使って、スコアアップ＋実践的な英語を学ぶ。

私の経験則では、大手企業の役職についている人は①の勉強法、つまりスコアアップを優先させたくて、英語力のアップ＋試験でのスコアアップのテクニックを学びに来ている方が多かった印象があります。
おそらく、社内ルール等で課長職以上はTOEIC　L&Rで730以上必要だったり、昇格にTOEIC　L&Rのスコアが必要だったりする為、TOEIC　L&R対策をしていた方たちでした。
そういう方はできるだけ短期でTOEIC　L&Rのスコアをアップさせるため、TOEIC　L&R試験の特徴を利用して、英語の学習もしていましたが、試験でのスコアアップテクニックを優先して学習していました。
ある程度英語を身に着けるための学習にもなりますが、ただ、テクニックの習得が優先になってしまうのでTOEIC　L&Rのスコアアップはできますが、実際の会話のスキルやメールやドキュメントのライティングスキルが上達したかはあまりわかりませんでした。

それに対し、②はどのようなやり方をするかと言うと、TOEIC　L&Rで問題にされているシチュエーションは、実際の日常生活やビジネスシーンでのある場面での会話のやりとり、社内でやり取りされるドキュメントや案内だったりします。
実際のTOEIC　L&Rテストでは英語を理解するスピードがとても重視されますがそれらの問題を時間をかけてじっくり学ぶことで実際の場面で使うフレーズや言い回し、語彙を増やせます。
例えば、リスニングセクションの中には携帯電話のショップ内での会話、社内の同僚同士の会話、スーパーの店内案内など様々な場面を想定したトピックがたたくさんあります。
またリーディングセクションでもお店の割引クーポン、製品の注意書き、請求書、レシート、見積もりなどバリエーションに富んだ場面に出てくる英語から出題されています。問題を解くだけでなくその中に出てくるフレーズを身に着けるような学習をすれば総合的な英語を身に着けることができるでしょう。

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